吉野彰終身教授・特別栄誉教授 連携協定を結ぶ富山県氷見市で講演
連携事業、氷見市制70周年と市芸術文化館開館の記念事業として企画
本学と連携協定を締結している富山県氷見市で、本学の吉野彰終身教授・特別栄誉教授を招いた特別講演会が1月28日、同市芸術文化館で開催されました。本学と氷見市との連携事業、氷見市制70周年と市芸術文化館開館の記念事業として企画され、本学校友会富山県支部も後援し、平松正行副学長らも氷見市を訪れました。
平松副学長「氷見市の活性化、魅力向上に寄与できれば」
本学と氷見市は2017年11月6日に農学部と氷見市が連携等に関する協定を締結して連携協議会を設立。棚田を活用した地域おこしに関するフィールド調査や自然栽培に関する土壌研究などに取り組んで実績を重ねると、2020年7月には全学部・研究科に拡大する協定に格上げして連携を強めてきました。
講演に先立ち、連携協議会の会長を務める氷見市の林正之市長が「大学の英知を共有できるように今後も連携を深めていきたい」とあいさつ。平松副学長は「文理融合の総合大学の強みである多彩な研究シーズを発揮しつつ、多様な連携活動の中で氷見市の活性化、魅力向上に寄与することができれば光栄」と語りました。
講演テーマは「リチウムイオン電池が拓く未来社会」
ノーベル賞受賞者の講演とあって、地元の新聞社2社も取材に訪れるなか、吉野終身教授は約300人の聴衆を前に「リチウムイオン電池が拓く未来社会」をテーマに講演。リチウムイオン電池を開発した経緯やノーベル化学賞を受賞した背景などを分かりやすく解説した後、リチウムイオン電池とAIを活用した電気自動車「AIEV」による未来の車社会のイメージを映像も使って紹介しました。
吉野終身教授はまた、太陽光発電は普及が進むと昼間に余剰電力が生まれるため、「いかに活用するかが重要」として、車に搭載したリチウムイオン電池に貯めて夜に車から電気を供給する活用策を紹介。最後に、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルに向け、「大阪万博が開かれる2025年が未来社会へのスタートになる。日本は乗り遅れてはいけない」と強調しました。
校友会富山県支部が運営に協力
この日の講演会には、本学校友会富山県支部(吉村正雄支部長)の会員約50人も訪れました。吉村支部長らは運営にも協力し、会場入り口に本学ののぼりを立てたり、校旗やポスターを張ったりして校友会員用の受付窓口を設けたほか、一般入場者にも本学のパンフレットを配布するなどして、氷見市民に本学をアピールしていただきました。