【在学生および保護者、学費ご負担者の皆様へ】名城大学の学費の考え方について
在学生および保護者、学費ご負担者の皆様へ
名城大学の学費の考え方について
平素より本学の運営並びに教育研究活動にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が世界的規模で猛威を振るい、いまだ終息の気配が感じられない日々が続いています。体調を崩されている方、経済的な課題を抱えておられる方、毎日、不安を感じながら過ごしておられる皆様に、心からお見舞い申し上げます。
令和2年4月7日に発出された政府による緊急事態宣言が、令和2年5月31日まで延長された現在、本学では、在学生の皆様の生命の安全および健康の維持を第一に考え、すべてのキャンパスを閉鎖しております。このような状況下において、一部の在学生および保護者、学費ご負担者の方々から、通常の対面授業が行えない状況で、さらに、キャンパス閉鎖で施設利用ができない大学に対し、学費(授業料、実験実習費、施設費)について、減額あるいは返還の有無について、ご質問を寄せていただいております。
つきましては、名城大学の学費の考え方をお知らせするとともに、今後の対応についてご案内させていただきます。
1.名城大学の教育理念
本学は、1926(大正15)年5月に創設者 田中壽一によって設立された、名古屋高等理工科講習所を起源とし、創立以来94年にわたり、教育研究活動を通じて、歴史と伝統を積み重ねてまいりました。本学は、「立学の精神」として定めた「穏健中正で実行力に富み、国家、社会の信頼に値する人材を育成する」を教育理念としております。具体的に表現すると、「謙虚にものごとの本質をつかみ、節度をわきまえ、豊かな包容力と平衡感覚をもち、抜群な実行力で誰からも信頼される人材を育成する」ことであり、本学の教育研究活動の礎としております。
誰もが予測しなかった想定外の環境下での大学運営となっていますが、本学創設以来94年にわたる歴史と伝統、文化を守り、「いかなる状況になっても、教育研究活動は停滞させない」という信念をもって、立学の精神の具現化を目指して人材育成に取り組んでおります。
2.学費についての考え方
1)学費の基本的考え
大学における学費は、それぞれの学部・研究科が前述の「立学の精神」に基づく教育研究活動の目標を達成するための費用として、学校法人名城大学が設定しています。また、納入にあっては、年度ごとに前期・後期の分納方式を採っております。
2)学費の内訳について
学費は、授業料、実験実習費、施設費の3つで構成されています。以下、それぞれの学費の特質についてお示しいたします。
(1)授業料について
授業料は、教育研究の質を保証する役務の対価と位置付けて納付いただいているもので、在学する期間に行われる教育研究活動に必要な費用として、その額を学校法人名城大学が設定しています。主に、教職員の雇用、通信費、奨学費、図書・教育研究用機器備品の購入などに充当しています。
ここで一例ですが、教育研究活動において欠かせない図書資料については、近年、電子ブック、電子ジャーナルも導入し、資料の充実に努めております。これらは遠隔授業と同じく、自宅から利用できる環境を整えており、一部学内のみからのコンタクトしかできない制限がかかっているものもありますが、多くの資料は、閲覧はもとより、ダウンロードも可能となっております。学生諸君にはこんな時に活用していただければと思っています。
(2)実験実習費について
実験実習費は、教育研究活動における実験実習に必要な費用として納付いただいているものです。納付の対象は、理工学部・理工学研究科、農学部・農学研究科、薬学部・薬学研究科の実験系学部・研究科となっています。主に、実験科目、各研究室における卒業研究、大学院生の研究に必要な費用、ゼミナール運営、実験実習用機器備品の修理などに充当しています。実験実習費を執行する科目群は、それぞれの学部・研究科において、卒業や修了要件に必須となっている科目が多くあります。「4.通常の対面授業再開に向けて」に示すように、各学部においてこれら科目の開講方法について掲げる教育目標が達成できる教育を提供できるよう様々な検討を行っています。
(3)施設費について
今回のキャンパス閉鎖で施設利用ができない大学に対しての減額・返還についてのご質問をいただいております。施設費は、施設利用料と理解されがちですが、そうではなく、主に、施設設備の拡充、老朽施設設備の取替更新、既存施設設備の維持管理、その他学内における学習環境の整備充実に必要な費用として納付いただいているものです。もちろん、今回対応した遠隔授業実施に係るICT環境の拡充整備も施設費から充当しています。名城大学で学ぶすべての在学生に、時代に即応した教育研究活動が推進できる快適な学習環境、課外活動環境を提供するための施設設備の整備を計画的に進めています。
これら(1)から(3)の費用すべてを学費としていただくことが、本学の教育研究活動全般を推進するうえでの前提となっていることに、どうかご理解を賜りますようお願い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症は、世界規模であらゆるものの環境を大きく変えてしまいました。大学においても、遠隔授業の実施、在学生とのコミュニケーションのあり方など、高等教育全体について、根本から見直しが迫られている状況であり、それに対応するための投資が必要です。しかし、私たちの大学財政の基本的な考え方は、「入学時にお約束した学費以上の費用を在学生および保護者、学費ご負担者の皆様にご負担いただくことはない」ということです。新型コロナウイルス感染症対策で発生した費用の大部分については、現在大学が保有する資産と本学の教育研究活動に共感いただいた皆様からの寄附金で賄ってまいる所存です。
3.新型コロナウイルス感染症拡大に伴う名城大学の対応
1)学費の返還・減額について
学費は、2.で述べた考え方に基づいて、在学生および保護者、学費ご負担者の皆様から納入いただいているものであります。従いまして、名城大学は、今回の感染症によるキャンパス閉鎖期間中におきましても、学費の減額、返還はいたしかねます。キャンパス閉鎖の状況が続いていることは周知のとおりですが、4月20日から遠隔授業がスタートし、高等教育機関として、学部・研究科の人材養成目的に添い、教育の質の保証を維持すべく、充実した内容のオンライン授業を実施し、教育研究活動を継続しております。本年度は通常の大学教育と異なる環境でスタートいたしましたが、学生第一主義を念頭に、いかなる状況であっても高等教育機関として教育研究活動の継続が不可欠と考え、本学が発信できる情報量を従来の7倍程度以上に対応できるよう施設設備を充実しました。なお、遠隔授業は開始以降トラブルもなく円滑に進んでいることから、在学生および関係者の皆様にご理解いただけているものと考えております。
2)大学の支援策について
令和2年5月1日に、①遠隔授業を実施していくため学生諸君個々のインターネット環境の整備に必要な経費負担を補助すべく、在学生全員に一人当たり一律5万円の支給、②緊急修学援助奨学金の新設(自宅生30万円上限、自宅外生35万円上限)を旨とする、新型コロナウイルス感染症拡大に対する学生緊急支援策の実施を決定いたしました。
支援の必要な方は本学ホームページをご覧いただき、不明な点等がありましたら、大学へご相談ください。
*学生緊急支援について
*緊急修学援助(修学援助C)奨学生について
また、新型コロナウイルスによる家計の急激な変化から学費の延納を希望される在学生の方は、学費延納手続きもご利用いただけます。
授業料等納期延期願
さらに、キャンパス閉鎖中でも在学生の生活相談、就職支援については、オンラインでの対応を含めこれまでどおり真摯に取り組んでおります。
*奨学金に関する相談 【学務センター生活支援グループ】
TEL 052-838-2028 E-mail ogakumse@ccmails.meijo-u.ac.jp
*健康相談・こころの相談【保健センター】
TEL 052-838-2031 E-mail hoken@ccmails.meijo-u.ac.jp
*就職支援に関する相談 【キャリアセンター】
TEL 天白キャンパス:052-838-2037
ナゴヤドーム前キャンパス:052-768-6398
キャリアセンターの閉室期間延長について
今回の学生緊急支援策は、名城大学に希望をもって入学してくださった皆様を教職員一丸となって育て、社会に送り出し、将来、「名城大学に入学し、卒業してよかった」と思っていただけるよう、皆様を支援する制度です。このような支援を進めていくことは、名城大学の社会的責任であると認識しております。
4.通常の対面授業再開に向けて
緊急事態宣言が発出されて1か月、さらに5月31日まで延長されることとなりましたが、本学は、通常のキャンパスに戻していく計画策定を進めています。一日も早く通常の対面授業による教育に移行できるタイミングを失わないよう準備することを第一義とし、実験、実習、実技科目の再開に向けて、講義科目も含めて対面授業の実施時期(夏季集中・補講等の実施)や方法の検討、キャンパス内における研究活動再開に向けた計画、教育研究環境の安全確保を念頭に置いた感染症防止の取り組み(消毒用アルコール、ハンドソープの配置拡充)も進めております。大学施設についても、在学生の皆様が戻ってきたときにすぐに使えるよう、施設の機能維持・整備を進めてまいります。
名城大学で学ぶ学生が、一日も早く、キャンパスで教員から直接学び、学友と交流し、課外活動に励むことができる大学づくりを進めてまいります。そして、在学生の皆様が、「生涯学びを楽しむ」意味を感じ取るなかで、自らの成長が実感できるよう、教育研究活動の質の向上に努めてまいります。その成果は、必ずや広く社会からの期待に応え、将来の我が国を支える力となっていくと信じております。
つきましては、本学の学費の考え方について、ご理解を賜りますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。
学校法人名城大学理事長 立花 貞司
名城大学学長 小原 章裕