都市情報学部の「都市情報学概論」に愛知県の江口副知事がゲストスピーカーで登壇
都市情報学部の1年次必須科目「都市情報学概論2」の初回授業が9月20日、ナゴヤドーム前キャンパスのDSホールで開催され、後期の第1回講義に愛知県副知事の江口幸雄氏がゲストスピーカーとして登壇しました。
「都市情報学概論」は1年次前期・後期に開講される必修科目で、都市情報学部で開設されるすべての科目の基礎になる科目。都市情報学部のすべての教員が1コマずつ講義を担当し、各教員の研究内容をわかりやすく説明することで都市情報学のフロンティアを示すとともに、都市問題に対する関心を引き出す目的で開講されています。
江口副知事「皆さんが中心になって30年後の都市を考えて」
後期の第1回目となったこの日は、愛知県の概要や課題を理解してもらおうと江口副知事を迎え、講義を行いました。テーマは「人口減少社会と地域の持続可能性」で、江口副知事はまず、愛知県が自動車の完成車メーカー、大手部品メーカーの集積地で出荷額は断トツで1位と紹介。また「意外と知られていない農業国」でもあり、キャベツやしそ、食用ぎくなどが日本一であることも示しました。財政面では国や東京都と愛知県の状況を対比しながら解説し、医療・介護などの扶助費が増加傾向の一方、県税収入は2007年度をピークに増減を繰り返しており、厳しい状況を説明ました。
さらに、少子高齢化と人口減少が地方の持続性に大きな影響を及ぼし、東京一極集中がこれを深刻化させていると指摘。「地域コミュニティ機能の低下や住民同士の交流機会の減少、医療機関等の減少、社会インフラの老朽化、地域交通の縮小、空き家の増加、消防団などの住民組織の担い手の減少、学校の統廃合など様々な課題に地域は直面している。また東京一極集中による税源の偏在も起きている」と説明。江口副知事は最後に「自治体単独で行政サービスを提供することは年々難しくなる。住民の利便性としても行政区域を越えた広域的な連携による行政サービスが安定的で効率的に提供し続けられる体制が求められる。民間と公共が協調してやっていく社会も必要で、都市政策はそういうことを考えていくことになる。若者である皆さんや大学が街づくりの中心になって、30年後の都市を考えてほしい」と呼び掛け、講義を締めくくりました。