谷田研究室が手掛けた天白区の定住促進住宅「一つ山荘」の絵本サロンを公開
理工学部建築学科の谷田真准教授研究室は3月15・16日、名古屋市天白区にある定住促進住宅「一つ山荘」で4月オープン予定の絵本サロン「一つ山荘絵本サロン105」を関係者に公開しました。
名城大学と名古屋市は、2022年11月18日に「名古屋市定住促進住宅の入居促進に関するモデル事業に関する確認書」を締結しており、この取り組みはその一環。団地が抱える高齢化や空き家などの課題に対して検討を重ね、「一つ山荘」東T−D棟1階の105号室を利用した子育て世代を支援する絵本サロンを発案しました。
まるで秘密基地
絵本サロンとして活用する部屋の間取りは3DKで、今回はそのうち1DKと廊下を改装。部屋を区切る扉や押し入れの襖などを取り外し、新たにスペースを区切る木製の本が置けるスリット壁を設置。襖が取り除かれた押し入れの棚は大きなテーブルとして活用したり、隠れ家のような空間を作ったりと、まるで秘密基地のような「小さな居場所」をいくつも生み出しました。同研究室の神野 怜さん(建築学科3年)は「図面やパースでイメージを作っていましたが、実際に出来てみるといい意味で違った」と出来栄えに自信を覗かせ、谷田准教授は「賃貸物件のため、壁や床に釘を打ち込むことなく棚や家具を設置しています。簡単に原状回復も可能」と工夫を説明しました。
人と人をつなげる、居心地の良い場所へ
4月からは週3日程度、10時~16時にオープンし、谷田研究室の学生が常駐。天白図書館の協力で置かれている180冊の絵本も順次入れ替えていくという。同研究室の佐藤空美さん(同3年)は「まだこのサロンの存在を知らない人も多いので、知ってもらえる活動が必要」と話し、神戸香澄さん(同3年)は「ふらっと立ち寄って、居心地が良いと感じてもらえたら」と期待を寄せていました。
今回改修されていない2部屋や屋外スペースは、2024年度以降に検討していく予定で、リーダーを務めた市原大輝さん(修士1年)は「人と人とをつなげる場所として、公共とは違う地域の拠点にしていきたい」と意気込みを話しました。