名城大学大学院薬学研究科と国立医薬品食品衛生研究所が 連携大学院に関する協定を締結
2023年12月4日、名城大学大学院薬学研究科(名古屋市天白区、薬学研究科長:神野透人)と国立医薬品食品衛生研究所(川崎市川崎区、研究所長:本間正充)は、連携大学院に関する協定を締結しました。本協定は、レギュラトリーサイエンスを担う研究者育成を目指し、本学薬学研究科の教育研究および当該研究分野の学術・科学技術の発展に寄与することを目的としており、今後複数の研究分野において両者共同で研究・学生の指導にあたる予定です。
【協定締結におけるポイント】
➀国立医薬品食品衛生研究所の研究者を本学薬学研究科の「特任教授」として招聘し、医薬品および食品衛生に関する最新の知見を学生に教授する。
➁本学薬学研究科の学生が、レギュラトリーサイエンスの拠点である同研究所の専門家から研究指導を受けられるようにする。
➂国立医薬品食品衛生研究所内に本学薬学研究科の4つ研究室を設置し、研究室の担当教員として同研究所の研究員を各1名、本学薬学研究科が選考し、配置する。
1)医薬品評価連携研究室、2)遺伝子医薬連携研究室、3)食品安全学連携研究室、4)食品添加物連携研究室
【連携大学院とは】
研究機関の研究者を大学院の教員として迎え、大学院生に対しその機関の研究環境を活用しながら研究指導等を行い、大学院の学位を取得させる制度。
【名城大学大学院薬学研究科】
名城大学大学院薬学研究科は、薬学領域における学術の高度化に貢献でき、独創的で創造的な高い研究力や新しい職能を開拓できる高度な専門性と技術・指導力を兼ね備えた薬学のスペシャリスト養成を目指しています。本研究科の教育課程は、(1)環境衛生科学分野、(2)医療情報科学分野、(3)病態解析科学分野、(4)薬物治療科学分野、(5)薬物動態科学分野の5専修分野の薬学教育研究と、医療英語、臨床薬学研修、海外臨床研修などの特色ある関連科目で編成しています。(https://www.meijo-u.ac.jp/academics/g_pharmacy/)
【国立医薬品食品衛生研究所】
国立医薬品食品衛生研究所は、医薬品、食品をはじめ国民生活に密接に関連する化学物質の品質、有効性ならびに安全性の評価に関する試験・研究を行っています。これらの業務は、(1)医薬品・医療機器分野、(2)食品分野、(3)生活関連分野、(4)生物系分野、(5)安全情報関連分野の大きく5つに分けられており、従事する職員は、薬学、獣医学、医学、農学、化学、理学、工学、生物学および栄養学等の各分野の専門家から構成されています。(https://www.nihs.go.jp/index-j.html)
【連携対象となる4つの研究部】
➀薬理部
薬の候補化合物は実験動物で有効でもヒトでは有効でないことや、ヒトに投与して初めて予期せぬ副作用が分かることがあります。そのため、薬理部ではiPS 細胞などの最先端技術を利用し、ヒトに対する薬の効き方や副作用の起こり方を明らかにし、安全性や有効性を正確に予測する方法を開発しています。これにより患者が新薬を安心して使うことができます。また、化学物質の毒性作用を検出する手法の開発も進めています。
➁遺伝子医薬部
これまで治療法がなかった病気に対して、遺伝子や核酸を使った薬、特定のタンパク質や遺伝子を狙い撃ちする薬、効果の期待できる患者のタイプを調べる薬など、新しい薬の開発が進んでいます。これらの薬は最先端の科学技術を利用しているため、その効き目や安全性の新しい評価方法を確立しなければいけません。遺伝子医薬部の研究によって、有効性や安全性を正しく評価し、患者が新しい薬を早く安心して使えるようになります。
➂食品部
食品の安全性を守るための研究や調査を行っています。新たに開発する分析法を使って、食品中に残る農薬、動物に用いる医薬品、ダイオキシンのような環境汚染物質、水銀のような有害金属等の物質がどのくらい含まれているかを測定することができます。また、食品部が開発した分析法を使った調査によって、食品中にどのくらい有害な物質が入っているか、通常の食事で1 日にどのくらい有害な物質を摂っているかがわかります。
➃食品添加物部
食品の製造過程又は食品の加工・保存の目的に使用される「食品添加物」や、食品用の「器具・容 器包装」は、人の健康を損なうおそれのない場合に限り使用が認められます。食品添加物部は、それらが正しく安全に使用されるように試験法の開発や規格・基準の作成、また、食品中の食品添加物や器具・容器包装から移行する物質の調査研究を行っています。食品添加物部の研究によって、食品添加物や器具・容器包装の安全性を確保することができます。
(国立医薬品食品衛生研究所 パンフレットより)