学長記者懇談会を開催 アントレプレナーシップの取り組みなど紹介
小原章裕学長とメディア各社の記者との懇談会が11月29日、天白キャンパスタワー75の起業活動拠点ものづくりスペース「M-STUDIO」で開かれました。小原学長がアントレプレナーシップの取り組みなど本学の最近のトピックスを紹介したほか、メディアで話題になっている3教員も研究内容などをプレゼンテーションしました。
天白キャンパス「M-STUDIO」で 注目の3教員のプレゼンも
学長記者懇談会は2021年11月、今年5月に続いて3回目の開催で、この日は記者6人が出席しました。小原学長はまず、11月4、5日の大学祭で3年ぶりに3キャンパスでの開催が実現し、模擬店も再開されたことに触れ、「非常に盛り上がり、学生たちが生き生きとしてこれぞ大学祭だと実感できました」と強調。女子駅伝部や硬式野球部、ハンドボール部などの全国大会での目覚ましい活躍ぶりも紹介しました。
さらに、小原学長は「中部から世界へ 創造型実学の名城大学」との開学100周年に向けた将来ビジョンを紹介。その実現に向けて、さまざまな分野で課題を解決するためにチームの中で中心的な役割を担う人材育成を進める「アントレプレナーシップ」を推進していくことや、学生の活動がさらに活発になってもらうために入学式や卒業式、クラブ活動などにも活用できる「全学共用棟」(仮称)を建設することも説明しました。
「たくさんのプログラムが走り始めている」と加藤社会連携センター長
社会の課題に立ち向かい、新たな価値を創り出すことができる人材を育成するために推進する「アントレプレナーシップ教育」については、本学社会連携センターの加藤雅士センター長(農学部教授)が詳しく紹介。社会連携センターの各種育成プログラムやアイデアを形にする起業活動拠点であるM-STUDIOの特徴などを説明した加藤センター長は「多くのプログラムが走り始めており、たくさんの学生が応募してきている」と手応えを語りました。
続いて、3教員が注目の研究についてプレゼンテーションしました。テーマと主な内容は次の通りです。
蓑輪明子・経済学部准教授「子ども・子育て政策と保育格差の現段階」
2018年に愛知県内36自治体の保育施設で保育士の労働実態について調査した結果、時間外労働時間は月平均18.9時間と時間外労働が常態化し、必要な業務に対して適切な人員配置となっていないことが判明。さらに、財源の差により自治体間で時間外労働時間数の差があることや、賃金の未払い残業が多いことも分かった。
髙谷芳明・薬学部准教授「未開拓資源に日の目を!~資源循環型研究を通じて健康な生活を築く~」
大学や各種研究所、企業などとさまざまな研究や開発に取り組んでいる。岐阜県農業技術センターなどとのイチゴの研究では、「美濃娘」という品種に抗血栓作用があり、どんな加工法でも成分が壊れないことが分かった。また、無臭化した豚糞を応用して災害時や在宅介護の際などに使える消臭に特化した携帯トイレを開発した。
小髙猛司・理工学部教授「2つの地盤崩壊事象を振り返る~明治用水頭首工パイピングと熱海土石流災害~」
明治用水頭首工のパイピング現象による漏水事故に関して、明治用水頭首工の根源的な問題は農業施設であること。頭首工は農業施設だが、それ以外の周囲はすべて国交省が管轄するため、農水省と国交省という管轄省庁の壁があり、農学部と工学部という日本の大学の学部の壁がある。