外務省・対日理解促進交流プログラム「カケハシ・プロジェクト」で外国語学部生とカナダの大学生がオンラインで交流
留学とは違った形で異文化・自文化理解を深化
外国語学部は9月29日、外務省の対日理解促進交流プログラム「カケハシ・プロジェクト」(一般公募)で、カナダのアルバータ州立大学(THE世界大学ランキング2022 世界第125位)と英語を用いてオンラインで学生交流を行いました。
外国語学部は今年5月にも同プログラムでアメリカのノースウェスタン大学(THE世界大学ランキング 2020 世界第22位)とのオンライン交流を実施しており、今年度は2回目の参画となります。同プロジェクトは、親日派・知日派を発掘することを目的とした国際交流事業で、一般財団法人日本国際協力センター(JICE)が企画運営しています。
本来は、日本と外国から相互に学生を派遣して対面で交流しますが、コロナ禍とあって遠隔実施。しかし、遠く離れていてもZoomを使った英語での会話は弾み、名城大生にとっては、留学とは違った形での異文化理解と自文化理解を深化させ、自分の考えを英語で伝える実践の学修と成長の機会を得ることができました。
プロジェクトには名城側から3年生28人と、アルバータ州立大学から日本の歴史・文化を専攻する18人が参加。当日はJICEによる趣旨説明から始まり、朝8時30分から10時まで分刻みでプログラムが展開されました。
名城側はPicture Bookを題材に3つのプレゼンテーション
名城側は、ナゴヤドーム前キャンパス西館の社会連携センターshakeに集まりました。西尾由里教授ゼミの伊藤有沙加さんと高橋一見さんの司会進行のもと、柳沢秀郎教授ゼミの齊田梨緒さんによる開会の言葉でスタート。アイスブレークで互いの緊張をほぐした後、名城側が絵本(Picture Book)を題材にした話題提供プレゼンテーションを3つ発表しました。
柳沢秀郎教授ゼミは「Picture Bookと現代日本文化(広告・ファッション・ゲーム)」です。「浦島太郎」「かぐや姫」「桃太郎」「鶴の恩返し」など日本人の親しんできた昔話が、現代のテレビコマーシャル、ファッション、ゲームなどにどのような形で表象化されているかを紹介しました。
西尾教授ゼミは「Picture Book と現代日本文化(漫画・アニメ)」。こちらは、日本の漫画やアニメに流れる自己犠牲(Self-sacrifice)の精神にスポットを当て、「周囲への配慮から日本人が自分の考えや感情を表さない時、私たちは皆さんに、その心根にある自己犠牲の価値に気付いてほしい」と、日本人の精神性を訴えました。
池沙弥准教授ゼミは「Picture Bookと現代日本文化 (オノマトペと現代日本語使用)」についてです。日本語は英語より動詞が少ない半面、オノマトペ(擬音語・擬態語)が豊富であることを前置き。オノマトペによる具体的で多様な表現を、「キラキラ」と「ピカピカ」を例に紹介し、日本語学習においての絵本の活用方法を示しました。
名城大生たちは各ゼミで役割分担しながらプレゼンテーションを実施し、これを基にカナダの学生たちとグループディスカッションが行われました。
総括は名城大生とアルバータ州立大生がそれぞれ1人ずつ行いました。池准教授ゼミの齋藤汰貴さんは「貴重な、忘れがたい挑戦の機会を与えていただき、ありがとう」とコロナ禍での外国人学生との交流に感謝。アルバータ大生のクリスティーン・シングソンさんは「コロナに気を付けてください。次は会う時は直接話したい」と返しました。
アルバータ州の外務省在カルガリー日本総領事館からのあいさつ、参加者のスクリーンショットでの記念撮影で濃密な交流は幕を閉じましたが、引き続いて両学生たちは、バーチャルミーティングアプリを利用して、英語で自由に交流を楽しんでいました。
3ゼミ一丸の準備と実践に高評価
齋藤さんは終了後、「会話が途切れないか心配したが、カナダの学生も趣味や食文化、日本の景色などを話題にして会話を進めようとしてくれたので、スムーズにグループディスカッションができた。学生も先生もゼミ一丸となって頑張った成果だと思う。留学が中止になり、英語圏の人たちとの会話がなかなかできなかったので、遠隔でも生の英語が聞けてよかった」と話しました。
アルバータ州立大学からも終了後に「名城大生の英語力とプレゼンテーションにはとても感銘を受けました。素晴らしい学生たちです」とのコメントが届きました。
外国語学部では、今後もこのような海外との協働学修をはじめ、学部で精力的に取り組んでいる学部独自のオンライン学修プログラムであるCLAB(Collaborative Learning Across Borders)プログラムなどさまざまな教育研究活動を、みなさまに発信してまいります。