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ノーベル化学賞の吉野彰教授が受賞決定後初めて本学で記者会見

祝福の輪の中、花束贈呈、授業公開、マスコミ個別会見も

記者会見で笑顔を見せる吉野彰教授(右)と小原章裕学長
記者会見で笑顔を見せる吉野彰教授(右)と小原章裕学長
万歳三唱
万歳三唱
花束贈呈
花束贈呈
共通講義棟東で学生たちに囲まれる吉野教授
共通講義棟東で学生たちに囲まれる吉野教授

日本人ノーベル化学賞受賞「19年スパン説」を披露

記者会見に臨む(左から)齊藤研究科長、小原学長、吉野教授、吉久教授、磯前教授
記者会見に臨む(左から)齊藤研究科長、小原学長、吉野教授、吉久教授、磯前教授

2019年ノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰大学院理工学研究科教授が10月14日、決定後初めて本学で記者会見しました。毎週月曜日に行っている授業では、受講している大学院生21人や職員から拍手で祝福を受けました。吉野教授は終始にこやかで、笑顔を振りまきました。

この日は祝日でも授業のある日で、吉野教授の「エネルギー環境材料工学特論Ⅱ」は1時限目。冒頭10分だけマスコミに公開されました。吉野教授は天白キャンパス共通講義棟東の演習室に入るや、大学院生の藤井直希さんらから花束が贈られました。

授業を終えて廊下に出ると、他の学生も歓声を上げ、スマートフォンで写真を撮ったり、一緒に写真に納まったりして感動を共有しました。

記者会見には、吉野教授、小原章裕学長、齊藤公明理工学研究科長のほか、吉野教授の招へいを指示した吉久光一前学長(理工学部教授)、東京大学学生時代の人脈を基に招へいの橋渡しをした磯前秀二前副学長(農学部教授)が出席。マスコミ側は18社から記者、カメラマンなど計61人が詰めかけました。

小原学長は「本学の理工学研究科の院生に、好奇心と洞察力が必要な、研究と発明の楽しさをお伝えいただきたい」とあいさつしました。

吉野教授はまず、10月9日夕に受賞の知らせを受けた様子を振り返りました。その上で、「非常に重要なことに気づきました。受賞は19年前から決まっていました」と意表を突く「19年スパン説」を披露しました。吉野教授は、京都大学教授だった福井謙一博士(故人)の孫弟子に当たります。福井博士は1981年に化学反応のフロンティア軌道理論の開拓の功績で、日本人で初めてノーベル化学賞を受賞しました。19年後の2000年、白川英樹博士が、同理論で予測された、電気を通すプラスチックの発見でノーベル化学賞を受賞。吉野教授は、リチウムイオン電池開発の過程で、白川博士が発見したポリアセチレンを負極に使うことを試みたという縁があります。さらに19年後の2019年、リチウムイオン電池の開発で吉野教授にノーベル化学賞が回ってきたという、ユーモアで記者を引き付けました。

これを受けて、さらに19年後にノーベル化学賞を受けるとしたらどんな研究かと問われ、吉野教授は「環境問題の解決にまともな答えを出した人」と即答しました。

質疑応答の最後に、本学の学生へのメッセージを求められ、吉野教授は「ノーベル賞受賞者が身近にいるので、私が経験したこと、思っていることを貪欲に吸い取ってほしい」と応じました。

記者会見の後は、授業後に会見場に来た院生たちがマスコミの取材を受けていました。吉野教授は、マスコミ各社の個別会見に臨みました。

マスコミへの授業公開
マスコミへの授業公開
ガッツポーズ
ガッツポーズ
記者会見後、マスコミのインタビューを受ける院生たち
記者会見後、マスコミのインタビューを受ける院生たち
マスコミ対応を済ませ、色紙にキーワードを書いた吉野教授
マスコミ対応を済ませ、色紙にキーワードを書いた吉野教授