IoT×機械学習
プログラミング技術を身につけて
「つくりたい」を実現する
エンジニアスキルを横断的に学び、カタチにする
M-STUDIO
天白キャンパス「M-STUDIO」にて開催された理系文系不問のアプリ制作プログラム。丸2日間かけて最新のハードウェアを使い、プログラミング、機械学習、IoTなどを横断的に学び、アプリ制作と成果発表まで行うハードなプログラムです。学生たちにとってどのような時間となったのでしょうか。
最短ルートで学び、プロトタイプをつくる
PROJECT SUMMARY
どんなプロジェクト?
さまざまな開発ツールやデバイスが登場し、テクノロジーがエンジニアのものだけではなくなっていく時代。これからは、文系理系の枠にとらわれずアイデア(何をつくるか)と技術(どうつくるか)の双方向から、ものづくりに挑む能力が求められます。そこで実施したのが今回のプログラム。ポイントは2つあります。
一つは、HTML、JavaScript、Python、機械学習、IoTという5つの領域にまたがって学習すること。一つを深掘りするのではなく、いくつもの領域を横断してアウトプットに必要な箇所を断片的に最短ルートで学習します。
もう一つは、「分かる」ではなく、「できる」を目指しているところ。インプットで終わらず、アプリのプロトタイプを制作できるレベルで技術を習得。時間内に成果物を完成させ、成果発表するという高い目標が設定されています。
WHAT WE LEARNED #01
もてる力の限りを尽くしたミニハッカソン
最新技術を習得できるプログラムは注目度が高く、定員いっぱいの20名ほどの学生が集まりました。1日日はインプットが中心。学習する領域が広く、情報量も多いが、意欲的に取り組んでいる様子が見受けられました。
2日目は振り返りと体験学習からスタートし、午後は習得した技術を使ってアプリを制作するミニハッカソンを実施しました。学生たちが取り組んだのは、加速度センサーと無線通信機能が搭載されたマイコンボードのデータを使って、機械学習によるリアルタイムジェスチャー認識を行う手法を活用してアプリを制作すること。黙々と進める学生、相談し合うメンバーなど、思い思いに打ち込みました。グループ単位で成果発表を行った後に、グループの代表者が全体発表。ユニークなものから課題解決型のものまで、三者三様の発表に会場が沸きました。
アイデアをカタチにする手段を獲得したい
リアルタイムジェスチャー認識でリズムに合わせてキャラクターが動く遊び心あるアプリをつくったのは、理工学部機械工学科の西尾拓真さん。
「楽しいもの、みんなが笑顔になるものをつくろうと思って、昔ハマったリズムゲームを真似てアプリをつくってみました。学科の授業でPythonを使ったことはあったのですが、CSSなどを組み合わせてものづくりをしたのは初めてで、音楽を流したり、キャラクターを動かすところまで作り込めたのはうれしかったです。
これまでもハッカソンに参加したことはありますが、つくりたいものを完成させることはできませんでした。技術があればアイデアを実現できるし、アイデアの幅ももっと広がるのではないかと思います。
参加してみてあらためて知識不足を感じましたが、これをきっかけにできることの幅をもっと広げて、自分自身が納得いくレベルのものをつくれるようになるのが目標です」(西尾さん)
WHAT WE LEARNED #02
マイナスをプラスに考えたら、楽しくなった
自分が食わず嫌いしている技術に挑戦しようと思い、プログラムに参加したという理工学部メカトロニクス工学科の堤琴珠音さん。
「高校が情報科だったのでHTMLやCSSの授業があったのですが、途中からついていけなくなってしまい、それ以来プログラミングには苦手意識がありました。でも、ものづくりには欠かせないものですし、ウェブサイトを解析できるようになったら楽しいんじゃないかと思ってあえて飛び込んでみました。やってみると思っていたほどは難しくはなく、自分にもできるというイメージをもつことができました。
今日のミニハッカソンでは、当初やろうとしていたものはうまくつくれなかったのですが、うまくいかないことを逆手にとって、どんなジェスチャーをしても同じことばかり言うキャラクターのアプリをつくりました。くだらなくて笑える、自分らしい作品になったと思います」(堤さん)
WHAT WE LEARNED #03
人を幸せにできるものづくりがしたい
畑違いの分野に挑戦してみたというのは、農学部生物資源学科の宮本和徳さん。
「自分の専門分野以外にも学びを広げようと思って参加しました。役に立つアプリをつくりたくて、在宅ワークのコミュニケーション問題を解決するアプリを考えました。今、インターンシップで在宅ワークをしているのですが、在宅だとコミュニケーションをとるタイミングが難しいと感じています。リアルタイムジェスチャー認識で相手の動きを認識できれば、話しかけてもいいタイミングが分かるんじゃないかというアイデアです。
正直むちゃくちゃ難しくて、アプリを動かすところまで到達できませんでした。それでも、うまくいかない原因を調べたり、周りに聞いたりしながら、少しずつ前に進むことができました。そういう地道な積み重ねの先に、多くの人の役に立っているプロダクトやサービスが出来上がっていると思うと、諦めず進むことの大切さを感じました」(宮本さん)
NEXT STEP
「分かる」ではなく「できる」を目指してほしい
プログラムの講師・ファシリテーターを務めたのは、テクノロジーとクリエイティブに秀でた人材を育てるプログラムを提供するJellyWare株式会社の方々です。
「インプット重視のセミナーが多い中で、アウトプットを重視して横断的かつ実践的に学んでもらったところがポイントです。プログラミングや機械学習と聞くと専門性が高いと思うかもしれませんが、実際に触ってみると、誰でも足を踏み入れられる領域だと分かります。学生たちのものづくりに対するハードルを少しでも下げることができていればいいなと思います」
(JellyWare株式会社 クリエイティブディレクター 嬉野剛士)
「1日目はインプットが中心だったので、ついてきているか不安だったのですが、2日目のミニハッカソンの様子や成果物を見て、ポジティブに取り組んでもらえたと安心しました。学生たちが自分の中から湧き出るアイデアや「こういうものをつくりたい」という課題をもってアウトプットしている姿が印象的でした。素直さや情熱はものづくりの重要な要素ですので、これからも大切にしてほしいです」
(JellyWare株式会社 MLエンジニア 橋本和)
「ミニハッカソンは3時間の長丁場。ダレてしまったり、諦めてしまったりする学生がいるのではないかと思っていましたが、みんな最後まで粘って、なんとかカタチにしてやろうという前向きさがありました。思うようにできず、宿題を持ち帰った学生もいると思いますが、どこで自分が詰まるのかを知ることができただけでも成長です。できなかった経験を糧にして、できるを目指してもらえたらと思います」
(JellyWare株式会社 IoTエンジニア 井上稔)
二日間で習得! IoT×機械学習を活用したアプリ制作〜リアルタイムジェスチャー認識〜
開催日時:2023年2月28日(火)・2023年3月1日
企画運営協力:JellyWare株式会社