おつかいクエスト
ニーズに探り試行錯誤、社会実装の面白さ。
プロスポーツビジネス研究会
プロスポーツビジネス研究会は、プロバスケットボール「Bリーグ」に所属する名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下ドルフィンズ)と連携し、学生たちがこれからの時代におけるプロスポーツビジネスのあり方を探求しています。
そこから生まれた「おつかいクエスト」企画は、プロスポーツが地域の活性化のみならず、子育て中の親子の学びや成長の場をとなる新しい形を提案しています。
メンバー
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篠田早希さん 経済学部4年
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松浦有祐さん 経営学部3年
PROJECT SUMMARY
どんなプロジェクト?
プロスポーツビジネス研究会は2020年に社会連携センターから生まれた団体。2021年度は、学年・学部を問わず20名以上の学生が参加しています。この研究会では、ポストコロナ社会のプロスポーツビジネスのあり方を「若年層マーケティング」「まちづくり」「グッズ&フード開発」「社会課題解決(SDGs)」という4つの視点でそれぞれ活動を重ねています。
ポイントは学生側のアイデアをもとにプロジェクトを進め、社会実装を目指していることです。
今回は、「まちづくり」の視点から生まれた「おつかいクエスト」企画にフォーカスし、どのような活動をしてきたのか、どのようにアイデアを練り、カタチにしてきたのかを紹介します。
WHAT WE LEARNED #01
パパママの声を反映した
体験型サービス「おつかいクエスト」
ドルフィンズファンの中心であるファミリー層に向け、地域で楽しめる体験型サービスを提供したいと、まちづくりチームが考案した「おつかいクエスト」。
当初は、休日に親子で楽しむ遊びを提供するという発想からスタートしました。しかし、実際に子育て中の親御さんにヒアリングをしたところ、想像以上に子育てが大変であること、親は子どもの社会性を育む場を求めていることなどがわかりました。そこで遊びの要素だけではなく、子どもが”おつかい”の中で、ミッションに挑む内容を取り入れることにしました。
まちづくりチームが「おついかいクエスト」企画を、中部経済産業局主催の「スポーツ★きらり商店街」プロジェクトのアイデアピッチで提案したところ円頓寺商店街から声がかかり、実証実験を行うことになりました。アイデアを考えていたときは、親子で過ごす休日は“幸せで楽しいもの”というイメージを持っていましたが、実際にヒアリングをして、子育ては甘くないと気づかされ、必死に子育てをする親御さんに学生の立場で何を提供できるのかを考えたそうです。
この企画は起業家育成プロジェクトTongaliのアイデアピッチコンテスト2021ではサポーター賞を受賞しました。
WHAT WE LEARNED #02
実施するたびに見つかる新たなニーズ
企画をブラッシュアップ
企画の舞台は、名古屋駅とドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)をつなぐ沿線にあり、ドルフィンズのホーム商店街である円頓寺商店街。
「おつかいクエスト」は円頓寺商店街を舞台に、子どもたちがドルフィンズの選手からのお題を受け、買い物をしたり神社でおみくじを引いたりというミッションをこなします。運営メンバーは子どもたちをこっそりサポートしながら、その様子を動画撮影。保護者は待機場所からリアルタイムで動画を見ながら子どもたちの冒険を見守ります。
この内容に仕上げるまで3回の実証実験を実施。
1回目では保護者から「子どもの新たな一面が見えた」などの意見が上がり、子どもたちからは「またやりたい!」という声が多く、「おつかいクエスト」がニーズに合うサービスであることを確認できました。2回目は子どもの集中力が長く続かないという反省を踏まえ、飽きさせない工夫を取り入れました。3回目は保護者から動画が見たい!という要望に応え、リアルタイム動画撮影を行いました。
3回の実証実験を経て、企画を磨いてきた学生たち。今後は「おつかいクエストin円頓寺商店街」として商品化し、販売も行っていきます。コロナ禍が落ち着いた際には、ドルフィンズの選手に子どもたちの見守り隊として参加してもらう計画です。
WHAT WE LEARNED #03
プロスポーツビジネス研究会は
学生が社会とつながり実践する場
プロスポーツビジネス研究会は学生にとってプロジェクトを社会で実践できるよき学びの場となっています。実際の運営に携わり、参加者にアンケートを取ってみると、アイデアの段階では分からなかった課題や要望が見えてきます。それらを踏まえ、どのように企画をブラッシュアップさせていくのか。スケジュールや予算、人手などの制限がある中でプロジェクトを運営する難しさ、協力者との連携の大切さなど、多くのことを学ぶ一年となりました。