プロスポーツ連携

「自ら動くと仲間ができる
仲間ができると成し遂げられる」
地元バスケチームの新たなファンを獲得せよ!

2023.3.31

プロバスケットボール「Bリーグ」の地元チーム・名古屋ダイヤモンドドルフィンズと名城生がコラボして名古屋スポーツコミッション事業として取り組んだプロジェクト「みんなで創ろう! ドルフィンズ観戦プロジェクト〜観客倍増大作戦〜」。その一環として、ドルフィンズアリーナの観客を増やすためのイベントを学生が主体となって実施しました。

アイデア出しから運営まで、
すべて学生が主体

コロナ禍で減退したプロスポーツクラブの集客拡大のために何ができるだろうか。そんな問いからスタートした今回のプロジェクト。名城生が主体となって、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下、ドルフィンズ)のホームグラウンドに観客を呼ぶためのイベントを実施しました。

会場となったのは、昨年4月に名古屋・栄「オアシス21」にオープンしたドルフィンズの共創スペース「ドルフィンズポート」。「オアシス21」を訪れた家族連れなどに声をかけ、「ドルフィンズポート」でバスケットボールのフリースロー、ダンクシュート、そしてドルフィンズにまつわるクイズを体験してもらいます。体験した方にはホームグラウンドでの試合に無料ご招待。さらに、体験で得点を集めた方にオリジナルグッズをプレゼントしました。

ターゲットとしたのは、バスケットボールやドルフィンズにあまりなじみがない層。関心をもっていない人たちが試合に足を運ぶきっかけを創出しようというのが狙いです。

今回の取り組みは、2022年度前期にドルフィンズが愛知県や名古屋市、名古屋商工会議所らと組成する地域共創プラットフォームワーキンググループと地域の方を巻き込んだ社会課題解決に、プロスポーツビジネスのあり方を探求するプロスポーツビジネス研究会が学生ボランティアとして取り組んできたことからつながっています。
学生達は、その後、地域共創の取り組みを主体的に企画し、ドルフィンズポートを利用されている方やドルフィンズのファンの方と地域共創ワークショップをドルフィンズポートで開催。ワークショップから得られたアイデアをもとに今回のイベントを実施しました。

子どもたちの笑顔にあふれたイベント

イベント当日は小雨がパラつく天気でしたが、学生たちの呼び込みに応えて、午前中から家族連れが続々と「ドルフィンズポート」にやってきました。午後になり、客足が途絶えた際には、ミニゴールを「ドルフィンズポート」の外に持ち出して集客を試みましたが、許可が下りずに断念。それでも、学生たちはそれぞれの持ち場で参加者が楽しく体験し、バスケットボールやドルフィンズに興味をもってもらえるよう工夫するなどし、無事イベントを終えることができました。

当日は延べ100人以上が「ドルフィンズポート」に集まり、体験してくれた人は30名ほどとなりました。目標としていた体験者の数は50名。目標達成率は6割ほどでしたが、普段「ドルフィンズポート」を訪れることの少ない家族連れを集客し、にぎわいをつくれたことは価値あることでした。参加した方からは、「クイズのヒントがドルフィンズポート内に散りばめられていて面白かった」「ドルフィンズのホームゲームに招待してもらえてうれしい」と言った声が上がりました。

周りと連携することで
成し遂げられると気づいた

イベントの中心となったのは、理工学部交通機械工学科2年の林克樹さん。1年生のときからプロスポーツビジネス研究会に参加し、「ドルフィンズポート」でのアルバイトもしています。これまでは先輩たちの企画に協力してきましたが、今回はリーダーとしてイベントの立案から運営までやり遂げました。

「大切にしたのは、ゴールをぶらさないことです。バスケットボールやドルフィンズをあまり知らない人に、イベントを通して興味を持ってもらい、ゲーム観戦に足を運んでもらうことが最終目的。そこを意識して、誰でも気軽に参加できるコンテンツを考えました。爪の甘さを感じた部分もありますが、反省点を含めて経験をこれからどう生かしていくかが大事だと思っています」(林さん)

イベントの中心メンバーとして
動いたことで、
自分の苦手を
克服する経験に。

「これまで、何事も受け身でこなすことが多かったので、自ら考えて行動しなければいけない状況はプレッシャーでした。それでも、『これがやりたい』と周りに働きかけると先輩や後輩、アルバイト仲間、そして大学職員さんやドルフィンズの方など一緒に動いてくれる仲間がたくさんいました。

人に頼るのが苦手なのですが、自分だけでは準備が進まず、周りと連携することで成し遂げられるのだと身をもって感じました。これからは、『主体的に動く』『周りと連携する』ということを臆せずにやっていきたいと思います」(林さん)

後輩へバトンタッチ。
自分たちの色を見つけてほしい

今回のイベントは、プロスポーツビジネス研究会の先輩たちのサポートがありました。

「これまで私たちの世代を中心に活動をしてきましたが、世代交代を考えて林くんに託しました。想定していた以上に人の流れが少なくて集客の大変さを身に染みましたが、いい経験になったと思います。
私自身はこれまで課外活動に参加し、学生のうちから社会に出て大人と接することで勉強になる場面がたくさんありました。多くの人と関わることで、誰しも自分とは違った考え方や捉え方をもっていることに気づき、自分のフィルターを通さずに、物事にまっさらな状態で向き合うことの大切さを知りました。後輩の皆さんにも、活動を通してそれぞれの気づきを得てもらえたらと思います」 (理工学部 環境創造学科 4年 梅田莉子さん)

「僕は2年生の時からプロスポーツビジネス研究会に参加し、また起業や事業開発に興味がある学生が集まるMEIJO STARTUP CLUBにも所属していました。活動をするうちに、自分の中で大切にしたいことが明確になったと感じています。
プロスポーツビジネス研究会の活動は、林くんたちの代に引き継ぎますが、僕たちとはまた違った色になってもいいと思うので、彼らなりのやりたいことを企画していってほしいと思います。ドルフィンズと共創できる恵まれた環境を使い倒すくらいの勢いで、いろいろなことに挑戦してほしいです」
(経営学部 経営学科 4年 松浦有祐さん)

ドルフィンズを題材に、
楽しく学び成長してほしい

企画を全面的にサポートしてくれたのは、ドルフィンズ 経営企画課長兼ドルフィンズポートプロジェクトマネージャーの園部祐大さん。

「名城生とのコラボレーションは今年で3期目となります。これまでもドルフィンズを題材にスポーツビジネスを学ぶ機会や地域貢献プログラムなどに取り組んできましたが、今期は共創スペース「ドルフィンズポート」を活用した集客プロジェクトに軸足をおいています。

名城生と数々の取り組みをしてきて、アウトプットをしっかりしてくれるという安心感がありましたので、企画は全面的にお任せしました。リーダーとしてイベントを仕切ってくれた林くんは責任感が強く、一人で抱え込んでしまわないかと見守っていましたが、本人が準備の過程で気づき、周りに相談しながら、自分の言葉で発信をしながら進めてくれました。ドルフィンズとの取り組みが、学生たちの成長の一助になればと思っています。」(園部さん)

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ×名城大プロスポーツビジネス研究会「バスケであそぼ!」
開催日:2023年2月23日(木・祝)